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Vol.1  トム・クルーズと占星術シンボル


 ユング派占星術家としての私の歩みを決定づけたのは、出生図が内包する創造的なエネルギーを目の当たりにしたときです。その創造力は存在のありとあらゆるレベルにおいて表現しようという意図を持っているのです。天体とそれらのポジションが示す事柄は、私たちの心の有り方や職業、人間関係の築き方というレベルに留まらず、夢、表現力、そして自分自身が知らない自らの可能性までをも指し示しているのです。


 オーソン・ウェルズという映画監督をご存知でしょうか?彼の代表作は『市民ケーン』。今でも映画史上最高の作品と評されています。そして、オーソン・ウェルズは牡牛座でした。この映画のテーマは、新聞というメディアに権力を与えた大富豪である主人公の持つ“所有欲”という悲劇、でした。牡牛座を表現するのにしばしば“I have(私は所有する)”というフレーズが用いられますが、監督自身が心の奥底にこのような性質を持っていたため、それを表現するのに最もふさわしいキャラクターとストーリーを選んだのです。そしてこの“発見”はまだ序の口でした・・・映画のモデルと言われている実在の人物、ウィリアム・R・ハーストその人もまた、強欲で自分勝手な人間・・・牡牛座だったのです。


 この“発見”以降、私は人生とは“天体の持つ象徴性/シンボリズムによって導かれるエネルギーの流れ”と考えるようになりました。ですから、俳優や監督やアーティストがあるテーマを選ぶ時、そこには彼ら自身の出生図に秘められているイメージやアイディアを具現化しよう、という意識が働いていると言えるのです。


 さて、今回は世界中で人気のあるトム・クルーズの出生図を見てみましょう。彼はハンサムなだけではありません、真の才能を持つ俳優だと思います。彼は1962年7月3日生まれの蟹座です。彼はオリバー・ストーン監督の『7月4日に生まれて』の主役を演じたわけですが、トム・クルーズの太陽は、彼の祖国アメリカの独立記念日における太陽とコンジャンクションしている、ということになります。天体は、このように私たちにとてもわかりやすく語りかけてくれるものなのです。


 映画の中でクルーズは、戦争によって身体にハンディキャップを負う、とても傷ついた若い男性を演じます(すべての蟹座の人は精神的に傷つきやすいといえます)。ストーン監督はベトナム戦争によって傷ついた多くの若い男性とその家族を描いています。そして、この映画だけではありません、トム・クルーズが出演する全ての作品において、彼の天体のポジションはあますところなく表現されているのです!


 『マグノリア』では、彼の潜在的な能力が最大限に発揮されているのを見てとれます。この作品で彼が演じるのは、精神的に問題を抱え女性と親密な関係を築くことのできないシャイな男性に対して、意中の女性にセックス・アピールを強烈に打ち出せるような手練手管を伝授するセックス教祖です。クルーズの冥王星は乙女座にあり(セクシュアリティを表現する手段として方法論やプロセスを用いる)、この冥王星は魚座にある木星(教祖性)とオポジションをとっています。そして、12星座における最後の星座である魚座は“メディア”も意味します・・・彼の教えは、ある種、救世主的な要素を色濃く帯びています。それ以上に『マグノリア』で際だっているのは、彼の役柄が、過去の全てを秘密のベールで覆っているミステリアスな人物である、ということです・・・冥王星と木星の配置は、情報の隠匿とミステリアスなパワーを示唆しています。そしてストーリーを追うごとに、この教祖がまだ幼かった自分を捨てて傷つけた父親を忌み嫌っていることが明らかになってきます・・・父親に捨てられる、というのは蟹座にとって人生で最大の傷となるような出来事である、というのはカフカの(彼も蟹座です)『父への手紙』を読むまでもないでしょう。そして、映画は主人公が偉大なプロデューサーであり、かつ死につつある自分の父親の枕元で、愛と憎しみのないまぜの感情を吐露する、という圧巻のシーンで山場を迎えます。


 『アイズ・ワイド・シャット』では、クルーズ演じる主人公はメンバー全員が仮面をかぶり(仮面もまた、冥王星が象徴するものの一つです)セックスと宗教的要素をミックスしたいかがわしい儀式を取り行う秘密結社の会合にもぐりこんでしまいます。ここでも“木星−冥王星オポジション”は同じテーマを違った手法で表現されています。そして、世界中の女性に愛される彼のカリスマ性と子供のような愛らしさの根元は、蟹座の太陽・魚座の木星・蠍座の海王星によって構成されているグランド・トラインである、と説明できます。彼の獅子座の金星は、彼の持つスター性のイメージを更に強化するものといえるでしょう。そして、かつての妻であったニコール・キッドマンを見てもお分かりの通り、豊かで赤い髪の毛を持つ雌ライオンのようなルックスの女王然とした女性を、金星獅子座の男性はパートナーに選ぶ傾向があるのです。


 『ミッション・インポッシブル』のようなアクション映画をすすんで撮りたがるのも、天王星スクエアの火星のなせる技、と言えるでしょう。ジョン・ウー監督はトム・クルーズが、最も危険で暴力的なシーンをスタントなしで自ら演じたがっていた、ということを語っています。攻撃的・行動的な火星に天王星の影響が及ぶと、それは過剰な暴力性に結びつくのです。


 アートや映画は、私たちの出生図に秘められた力・・・日常生活では受け容れられない程の危険なレベルのものも含めて・・・を具現化するのに、たいへんに有効な手段なのです。


2003年8月1日

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