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ジョン・レノンの栄光と影---名声、宿命、理念、結婚


 世界的に有名なこの男性を一言で表して下さい、と言われたなら・・・わたしは “イマジン”と答えます。ビートルズのメンバーであり、天秤座に太陽とアセンダントを持っている彼は、自らの人生と音楽作品を通じて一つのアーキタイプの光・闇の両面を具現化し、時代を代表するシンボル的な存在として生きた美しい例だと思います。


 天秤座が象徴するのは結婚、調和と平和です。彼が妻や友人たちと一緒に作った『Give Peace A Chance(平和を我等に)』は時代が変わっても平和運動のテーマソングとして歌い継がれていくことでしょう。


 天秤座のルーラー、金星は彼の11室にあり、純粋性(乙女座)と人類に対する理解(11室)を象徴しています。天秤座は活動宮ですから、理念を行動化します。レノンは平和主義者として反ベトナム戦争運動に積極的に身を投じ、その活動の過激さゆえに、アメリカ政府は彼を国外退去させるに到りました。金星を使って調和や平和を唱える場合、その対極の位置にある牡羊座や火星という“戦闘性”を刺激するため、「革命」の引き金になりやすいのです。イギリス政府によってインドから追放されたガンジーもまた、天秤座でした。


 水瓶座と結びつきの強い11室にある金星は、彼の妻である水瓶座生まれのオノ・ヨーコを表している、と見ることもできます。知性が高く、作曲家、写真家、映画監督でもある彼女は、水瓶座のひとつの典型といえるでしょう。土星のサインである山羊座に月がある男性は精神的な安らぎを得るために年上の女性を選ぶ傾向にありますが、オノ・ヨーコもレノンより7才年上でした。レノンはまた、山羊座に月を持つ人に共通しやすい、不安定で孤独な幼少期を過ごしました。彼は幼年期に二つの大きな喪失を経験しています。1つ目は6才の時、父親のニュージーランドへの移住とその結果としての別離。4室は父親を示す部屋で、そこに位置する月が本人を象徴する太陽や火星のサイン(天秤座)とスクエアの関係にあることは、父親との別離を象徴しているようにみえないでしょうか?


 2つ目は17才の時の交通事故による母親の死亡です。ご存じの通り、10室は子供への母親の無意識の願望が投影されている室ですが、レノンの場合はここに死と再生を象徴する冥王星があって月のある4室と向かい合っています。レノンに楽器の演奏を教えたのは母ジュリアだったという点からも、10室冥王星はミュージシャンという重要な方向付けをした芸術の星であると同時に、死と別れをも同時に表現する悲劇的な星です。レノンの歌『マザー』と『ジュリア』は彼の月そのものと言えるでしょう。


 母ジュリアは警官の飲酒運転による交通事故で亡くなるのですが、レノンのチャートを見ると“隠された敵・狂気・中毒症状”をあらわす12室で火星(暴力)と海王星がコンジャンクションしています。この事故は、23年後に彼自身が心神耗弱状態の犯人によって射殺されることの予告でもあったのでしょうか・・・。


 火星・海王星コンジャンクションについて、もう少しお話しましょう。レノンが幼かった頃から、船乗りだった父親はほとんど家にいなかったわけですが、火星・海王星という組み合わせは一般的な想像の範疇を越えるほどの悲しみを呼び起こすことがあると考えられています。それが12室にある場合には、悲しみを癒す手段として現実から逃避しようとアルコール、ドラッグに手を染める、という事がよく見受けられます。ビートルズがインドから戻った後に、レノンが仏教に傾倒し、マリファナやLSDなどのドラッグを頻繁に用いていたことは公然の事実。名曲『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』や映画『サ−ジェント・ペパーズ・・・』などにもドラッグの影響が顕著に現れていると言えるでしょう。


 12室にある天体の解釈をする際には、十分な注意が必要です。何故ならば、確かにレノンのケースは悲劇的な結末に終わりはしたものの、わたしたちは決して運命論的な解釈に安住してはならないからです・・・レノンの一生はあのような悲劇的な死を遂げるべく宿命づけられていたわけでは決してないのです!父親の度重なる不在によって幼いレノンの心の奥底には怒りが蓄積されていきました。移住のために父親が姿を消してから、その負のエネルギーはますます膨れあがりました。そして、彼のネイタルの月に対してトランジットの火星がスクエアをとった日に母親の交通事故が起こり、彼の怒りは頂点に達したはずです。しかし、彼が自分の心の内にある怒りを真の意味で外に向かって表現することはありませんでした。その結果、怒りは解放されずに彼の内に留まり、くすぶり続けたのです。そしてトランジットの火星がネイタルの天秤座太陽とスクエアをとりながら月のある4室へと進行した日、彼は凶弾に倒れました。


 レノンは平和を求めて戦いましたが、自分の内側に貯めこんだ怒りと暴力性からは目をそむけ続けていました。それゆえに“人類愛によって平和な世界が生まれる”という彼の信念は“イマジン/想像”の域を出ることはありませんでした。愛が全てを解決してくれると信じる前に、自分自身の内側にある“戦いの神”と対決して始めて、世界は変容と変革を迎えることができるのです。


2003年8月9日


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