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エリザベス・キューブラー=ロス 前編 〜死と向き合うことで自らを育む”真実”の人〜


1926年7月8日、スイス生まれ。精神医学を学ぶ。後に移住先の米国で病院に勤務し、死にゆく患者たちがいかに無責任かついい加減に扱われているかを目の当たりにする。神学科の学生たちと共に末期患者に対するインタビューを数多く行い、そこで得た発見が “死を迎える”ことに対する私たちの理解を促し、更には死に対する意識や態度までも大きく変容させていくことになる・・・この人物こそ「エリザベス・キューブラー=ロス」です。


彼女の出生図と実際の人生を照らし合わせると、そこには最も厳しく困難な配置のもとにある天体たちを、真の意味で暗闇の中から光の存在へと超越的な力で昇華させ、純化させた素晴らしい過程が見てとれます。蟹座生まれで魚座アセンダントの彼女の出生図からは木星、海王星、土星、冥王星からなる“愛と憎しみ”、そして“恐れと献身”の神秘的なシンフォニーが聞こえてくるようです。彼女の太陽は“母性と傷つきやすさ”の蟹座のサインにあって、“死、セックス、苦しみの果てにある変容”を意味する冥王星とコンジャンクションしています。太陽のある5室は“子供と遊び”の部屋とも言われていますが、この配置は彼女にとって“自分に自信を持つ”ことや“創造性を発揮する”ことがたいへん困難だったであろうことを意味します・・・なぜならば太陽が自分を表現しようとする(自ら光り輝こうとする)時、冥王星は恐怖の力でその輝きを覆おうとしたはずだからです。しかし、この2天体のコンジャンクションは最初に“自己否定”をもたらすものの、その後に “無意識の最も暗がりの中から脱け出して‘真の自分らしさ’を探求”する旅を促し、最終的には“完全なる再生”をもたらしてくれるのです。


いっけん不思議にも思えるキューブラー=ロスの “死への興味”は、第2次世界大戦終了後、彼女が19才の時にユダヤ人収容所のガス室を実際に見て、そこに閉じ込められた幼い子供達がどのような苦しみを味わったかに思いを馳せた時に生まれました。収容施設の部屋の壁は、子供達の描いた蝶の絵で埋め尽くされていました。「なぜ蝶なの?」という不可思議な印象とともに、壁の絵は彼女の意識に深く刻み込まれたに違いありません。なぜならば、サナギという仮死状態を経た後に美しい羽根を与えられて蘇る蝶は“再生のシンボル”と古代からいわれていたことを彼女は思い出すからです。それにも増して、彼女の持つ“太陽・冥王星コンジャンクション”をそのものが、実は“蝶” というシンボルを表すからです・・・もちろん、彼女に占星術の知識があったとは思えません。しかし、彼女の無意識はメッセージをしっかりと受け留めたことでしょう。なぜならば、これを契機に、彼女は人生における最も困難な時期でも患者が成長し続けられるように・・・ひとりひとりが“死を通じて人生最大の学びを成し遂げる”ことができるように・・・自らの人生を捧げることになるからです。


彼女の出生図の際だった特徴は“慈しみ”にあります。彼女のアセンダント、魚座の支配星である海王星は“勤労と奉仕”の6室にあって、魚座の副支配星である12室木星がそのオポジションに位置しています。つまり“信仰と天職”を意味する木星は、患者の痛みや苦しみをやわらげるために“閉鎖性・病院”の部屋を支配しているのです。その意味で、キューブラー=ロスは生まれながらのヒーラーと言えるでしょう。更に、海王星が5室獅子座にあり獅子座の支配星が太陽であるということからも、彼女の本質的な人生の目的と彼女自身の存在意義が“生と、その対極である死に対する理解”を深めることにあったと言えないでしょうか。蟹座の彼女が患者たちに接する時、これはわたしの想像ですが、彼らと感情をわかち合い、ひとりひとりの個性を認めて尊重しながら、まるで母親のように接していたのではないかと思うのです。


最も特筆すべきは、彼女の土星が“変容”を表す蠍座(冥王星が支配星)にあり、しかもこれが8室(冥王星と火星が支配星)で、彼女の出生図で最も天頂にある天体だということです。このことは、彼女の土星がその力を発揮できるようになるにはかなりの努力が必要であるものの、うまく使いこなせれば出生図中で最も強いエネルギーを放つ天体である、ということを意味しています。そしてキューブラー=ロスはこの土星を使って“真実、意味、医薬、外国”を司る9室に至る道を発見するのです・・・彼女は仕事のキャリアをアメリカで築き、世界のおもだった大学院は25もの名誉学位を彼女に授与します。そして自分の仕事の集大成として、彼女は死の過程を理解するための“型”(土星)を発見します。それは、死が自然かつ意味のある出来事であると認められるようになるまでに患者が通過する5つの心理的段階・・・ “否認と孤独感”、“怒り”、“取引”、“受容”、“希望”・・・でした。彼女の土星はまさに“昇るのは困難だが希望へと導いてくれるハシゴ”なのです。


晩年の彼女は、エイズに侵されて生まれてきた子供達を助けるためにその人生を捧げてきました。ここに至って、彼女の出生図は充分に表現されたといえます・・・セックス(冥王星)が原因で不治の病に感染した子供(5室)を母(蟹座)が育む、という象徴性を、自分の生き方を通して見事に開花させたのです。


わたしはこのコラムを通じて、20世紀における最も素晴らしい女性であり、勇気に満ちた真の開拓者(彼女の火星は牡羊座にあります)と呼ぶにふさわしいキューブラー=ロス博士に、ささやかではありますが敬意を表したいと思います。



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